「見聞録」
20
最後1本になった幹線を落としている間、コウイチさんは全くの無言だった。
無視されたっていうんじゃなくて。
ただ、黙って俺の作業を見ていてくれた。
刺さるような視線を感じた訳じゃない。
でも、ずっと視線を感じ続けていた。
「岡野さーん、オッケーっス」
谷田君は先刻までと全然変わることなく作業を続ける。
「はーいっ。じゃ、下に降りまーすっ」
「はーいっ」
でも、微妙に。ほんの僅かに口調が固い。まるで気持ちを無理矢理隠して普通に振る舞っているみたいな感じ。多分怒ってるんだろうな。無理もないよな。あんな元気の無いコウイチさんを見ちゃったら、絶対凄く心配する。まして恋人だったら、元気のない理由を懸命に探してしまっているに違い無い。きっと仕事にも集中出来ないだろう。責任感の強い谷田君のことだから、きっとイライラしてるんだろうな。
ごめん。俺のせいなんだ。ホント、ごめん。
「コウイチさん、終わりました」
そう言いながらシャフトから身体を出すと、コウイチさんはくるりと身体の向きを変えて、廊下を歩き出す。やっぱり一言も声を出さない。
怒った顔なんて全然してない。むしろ…まるで泣き出しそうな…寂しそうな表情。
こんな俺でもいなくなるのが寂しいのかな?なんて僭越なことを思わず考えてしまう。考えてから、ものすごく場違いな考えなのに気付いてしまう。コウイチさんは俺の気持ちに気付いてるなんてあり得ない。ただ、突然理由も告げられずに辞めるなんて言われたからショックなだけ。怒っても全然構わなかったのに、黙り込んでしまった俺を問いつめることも無く、
『…分かった』
って、言ってくれたコウイチさん。
もしかしたら、傷つけてしまったのかもしれない。
……なんて、俺がそんな価値のある人間だなんて思えないんだけどね。
廊下を歩いて階段を降りて、また廊下を歩いて2フロアー下のシャフトを目指す。
これで次は2階。
笑っても泣いてもこれが最後の階になる。
先刻は仕事が一段落付くまでって思わず言ってしまったけれど、明日から来ないってことも俺には出来る。明日、この現場に来なければ良いんだから。コウイチさんの俺への信用はズタズタのボロボロになって、最悪なヤツって思われるだろう。
でも、こうやって、寂しそうなコウイチさんを見ていると、あんまりにも辛くって見ていられない。こんな姿を見るくらいなら、どんなことを言われても、思われても良いからこれで最後にしたいなんてとんでもないことを考えてしまう。
明日、目覚まし時計をセットしないで。もし、習慣で目が覚めても、2度寝しちゃって。6時半になっても現場にあらわれなければ、それでおしまい。
逃げるなんて、もう慣れっこだしさ。もう2度と会わなければ、何を思われたって言われたっても関係ない。
………………関係ない。
谷田君もコウイチさんも大好きだから、もうこれ以上傷つけたくない………なんて、これはきっと表向きの考えで。
俺だって、プライドがある…。
戦いもしないで逃げ出すようなヤツだけど、それでもバカみたいなプライドがここにある。絶対に手に入らないのに、側で笑っているなんて、そんなこと俺には出来ない。
だから、これが最後。
ぐだぐだと頭の中で自分を正当化する。
俺の嫌なところの一つ。
でも、今更性格なんて直せない。
こうやって、逃げてしまえばそれ以上悩むことも傷付くこともない。
アノ時みたいに、手に入らないことにいつまでも苦しみ続けることもない。
恋愛なんて、もうたくさんだ。
小さく溜め息をついた。
その時だった。
「どうして溜め息なんかつくの?」
コウイチさんが口を開いた。
「あ……いえ……あの……」
「それも、言えない?」
明らかに怒った口調。
「……すみません」
ほぼ条件反射的に謝りの言葉が口をつく。
「岡野君は、そうやって直ぐに謝るけど、本当に悪いと思って謝ってないよ」
痛いくらいにきつい言葉だった。
「すみません」
今度は心から。
「違う」
最後まで言わせずコウイチさんは言った。
「違う。謝って欲しいんじゃない。……取りあえず最後まで仕事しよう。話はそれからだ」
正直、仕事が終わったら速攻逃げ帰りたい気分だった。
親方にも、お姉さんにも、谷田君にも、そしてコウイチさんには一番、顔を合わせたくない。
『じゃ、また明日』
なんて、言われても、もう、俺には明日なんて無いんだから。
コウイチさんの言葉は絶対的な、高圧的って言っても過言じゃないくらい命令系の口調だった。絶対有無を言わせないような。コウイチさんの口から初めて聞いた、選択の余地のない、強い口調だった。
「……良いね」
どこか、課長と似ていた。
「…………はい」
無意識に俺は怯えてしまった。
「親方さーんッッ!!!!オッケーっス!!!!!」
「おーうっ」
「お疲れさまぁーっ!!」
マンションの最上階と1階の間で、声が響き合う。
とうとう作業が終了した。
1階のシャフトにはそれぞれ30メートルずつ余分に電線が引き出されている。
「こりゃぁ、明日の朝にでも丸めりゃぁ良いだろう。しかし、コウイチ、おメェもヤルじゃねぇか」
親方さんが満足そうに声をかける。
「あたしね、幹線やる時って、この電線が最後にこうやって廊下一杯に伸ばされてるのを見るのが好きなのよね。なんか、真っ黒なんだけど川に見えるでしょ?」
「あ、そうッスねぇ」
それぞれが仕事の達成感を感じている。
「さ、上がろうや。明日も早ぇし」
フッ−っと煙草を煙りを吐き出しながら、親方さんが皆に声を掛けた。
「オヤジ、俺、用事あるから先帰ってていーや」
「ん?おう」
「アネキ、サンキュ」
「いーえ。どーいたしまして。じゃ、また来週ね。お疲れさまー」
お姉さんが髪止めをバチンと外した。髪の毛がバサー…ってばらけて、キリッとしていた顔が、朝見た時の綺麗なお姉さんって感じに戻った。腰道具と手にしたヘルメットが途端に違和感を持った。女の人って、髪型で随分印象が変わるんだなぁ…なんて、思わず思ってしまった。
「お疲れ」
「……ん」
2人の間の会話はこれだけ。
でも、言葉の見えない部分にきっと全部の会話が隠れていたりするんだろうな。
『先刻の件か?』
『……ああ』
『俺も一緒にいようか?』
『いや、いい。これはオレと岡野君2人の問題だから』
『……分かった』
なんて感じなんだろうな…。良いな……。
「お疲れさまッス」
「あ、お疲れさま」
突然声をかけられて、思わず慌てる。
谷田君、お疲れさまでした。この現場、楽しかったよ。ありがとう。元気で。
声に出さずに別れの言葉を心の中で呟いた。
(幸せに)
心にもない……でも、気が付かない心の奥の奥に隠れていれば良いなって思った言葉をこっそりと付け足した。せめて、それぐらいは大人でいたい。
親方さん達3人がそれぞれ去っていく後ろ姿を眺めていると、
「じゃ、始めようか」
隣からコウイチさんに声をかけられた。
「………はい」
キリ…………と、胃が懐かしい痛みを訴えた。
「皆、先に帰ったし、ここならある程度は音が遮断されるから、誰かに聞こえるなんて気にしなくて良いから」
半ば引きずり込まれるように俺は電気室に入れられた。
昨日までぐちゃぐちゃだった電気室は朝の突発大掃除の成果もあって、随分整理整頓されている。
俺とコウイチさんは、それぞれいつもの定位置に腰を下ろして向かい合った。
「……で、どうして辞めたいの?」
単刀直入に質問された。
「………」
聞かれるだろうと思って、色々考えてはみたものの、いざ聞かれればどうにも答えようがなくって、嘘だけはつきたくなくって、何にも返事が出来なかった。
「……俺にも言いたくない?」
いや、あなただから言えないんです。
「………」
真直ぐ俺を見詰める視線に耐えきれず、思わず俯いてしまうと、コウイチさんが少し怒ったように、
「理由だけでも言って欲しい」
って、言ってきた。
「オレさ、今日の岡野君見てて、すげー楽しそうだなぁって思ったんだよ。いつもは仕事に追われてて一杯一杯の顔してること多かったけど、今日の岡野君ってさ、楽しそうだったんだよね。ホント、楽しそうだった。あんなに、大きな声出してたのも初めてだったよね。…オレ、さ、やっとだなぁって思ったんだ。やっと仕事が楽しくなってきたんだなぁって。…そしたら突然じゃん?………電気屋って辛い?」
「いえっ、そんなことないですっ」
それだけは誤解されたくなかった。
「電気工事はやりがいのある仕事です。俺、この仕事大好きです」
「じゃあ、何で?」
「っ………」
---------あなたが好きだからです。
もう少しで言ってしまうところだった。
「………どうしても、言えない?」
「………すみません」
「謝って欲しくなんかないよ」
ぴしゃり、と、言葉を突き返される。
「謝られてもオレには理由が分かんないよ」
怖くて顔が上げられなかった。多分、今、本気でコウイチさんは怒ってる。
年下に怒られてビビってる俺も俺なんだけど、本気で怖かった。
「先刻も言ったんだけどさ…」
ゆっくりとコウイチさんが言葉を続ける。
「岡野君はそうやって直ぐに謝るけど、オレはどうしても本気で謝ってるように見えないよ。別に、いい加減なヤツだとかって思ってる訳じゃない。でも、オレにはどうしてもその場凌ぎにしか感じないんだよね」
「……すみま---」
「だから、謝らなくっていいって言ってるだろ?」
「………」
「岡野君って基本的に良い人だからさ、謝り癖ってついちゃってんのかもしれないけれど、謝るのって、オレは卑怯だと思うよ。だってすぐに謝っちゃうっていうのはさ、問題とかに対してちゃんと深く考えてない証拠だよ」
「………」
意外な言葉だった。俺はまず謝りの言葉を言うのが何よりも大事なんだって思ってた。前の職場では少なくともそうだった。
相手の気持ちを思いやるんだったら、まずお詫びの言葉を言え。怒らせてしまったことへの、気分を害させてしまったことへのお詫びの言葉をまず言え。って。
もっともだと思ってた。
だって、理由はどうであれ、現に相手は怒ってるんだから、怒ってクレームを付けてくるんだから。謝って当然だ。
そう、思っていた。
でも、コウイチさんの意見は違っていた。
「なんか、直ぐに謝られるのって、バカにされてる感じがするよ。真面目に受け止めてもらってない感じがする。そんな人じゃないって分かってるから、余計に腹がたつよ」
「……はい」
言葉を探して返事をした。
そしたら、何か言葉に詰まったようにコウイチさんが黙り込んだ。
長いこと、沈黙が続いた。
心配になるぐらい、コウイチさんは黙り続けた。
重たい空気に潰されそうになって、痛みはじめる胃を叱りつけながら、俺は思い切って顔を上げた。
「………コウイチさん…」
目の前には唇を噛み締めて、必死に泣くのを堪えているコウイチさんの姿があった。
「コウイチさん……」
「…………ゴメン。こんなこと言いたいんじゃない……」
それからグッと、全身に力を込めると、コウイチさんは、キッと顔を上げた。
「辞めて欲しくない」
「………」
「……辞めて欲しくない」
コウイチさんは繰り返した。
「ワガママだって分かってる。でも、辞めて欲しくない。折角一緒にここまでやってきたのに、岡野君がいなくなるなんて嫌だ」
まるで子供の駄々と同じように。
「…オヤジは去るヤツは追うなってオレに言うけど、オレはそんなのは嫌だ。折角仲間になったのに、いなくなるのは寂しいよ。…現場が嫌だって言うんだったらしょうがない。でも、違うんだろ?だったら続けてよ。お願いだから」
今まで色んなコウイチさんを見てきたけれど、駄々を捏ねるコウイチさんなんて、初めてだった。可愛くて可愛くて、どうしようもなく困ってしまった。
「……オレのことが嫌いになった?」
泣き出しそうな心細げな小さな声で。
まるで殺し文句。
命の代わりに一瞬、理性が殺された。
「…………分かってないのは、コウイチさんの方です」
「…え?」
しまったっ!!…なんて思ったのは仮死状態の理性のどこかで。
「誰が嫌いになんかなりますか?俺は、あなたが好きなんですよ……っっ!!」
目の前のコウイチさんの目が真ん丸になる。
ヤバいとか、マズいとか、思うより先に口が動いた。
「俺は…っ、あなたが好きなんですよっ。…俺は…………ホモです。女より男が好きなヤツなんですっっ。あなたが好きだって、今日気が付きましたっ。でもっ。あなたには谷田君がいます。それに気付いたのも今日です。…好きな人が誰かのものだなんて考えるだけでも…もう…耐えられないんですっっ。俺は器用な人間じゃありませんっ。だからっらっ……あなたを諦めて、側で笑ってなんか…っ…いられませんっ!!!!」
一気に、叫ぶように……言ってしまった。
直後、全身を冷や汗が襲う。
コウイチさんは、目を真ん丸にしたまま動かない。
「……こんなこと……言って……どうなるっていうんですか?……だから、言えなかったんです。仕事は本当に大好きです。……俺だって、もっと続けたかったです。……でも、もう、あなたの側では働けません」
「どうして?」
「ど……俺はっ、あなたがっ、好きなんですよっっ!!!」
「俺だって、岡野君が好きだよ」
怒りで倒れそうになった。
「あなたは、谷田君が好きなんでしょう!!!」
もう、現場中に聞こえてもおかしくないくらい大きな声で俺は怒鳴った。
コウイチさんは、一瞬で耳まで真っ赤になりながらも、言い返してきた。
「そうだよっ!!でも、岡野君だって好きだよっ!!」
「でも一番じゃないんでしょうっっ!!」
「ぐっ……」
喧嘩では強いコウイチさんの弱点見付けたッッ。口喧嘩だったら勝てるかもしれないっっ。
「俺は、我侭な男なんですっっ!!一番じゃなくっちゃ嫌なんですっっ!!」
そう。前の課長だって一番に愛されなかったから嫌だったんだっっ。こんな情けないヤツでも、一番が良いっっ。一番じゃなくっちゃ嫌なんだっ!!!
「だったらっ!!ユウから奪ってみせるくらいのことをしてみろよっ!!!」
「俺に出来っこないでしょうがっ!!!」
「決めつけるなよっ!!!やってみなくちゃ分かんねーだろーがっ!!」
「初めから負けるって決まってる勝負なんかやってたまるかっ!!」
「お前の気持ちはそんなもんなのかよっ!!」
「ンな訳ね−よっ!!気持ちで負けてたまるかってんだ!!」
「じゃあ、ユウと勝負してみろよっっ!!!!」
「けしかけんのかよっっ!!!!」
「当たり前だっっ!!」
「もしも俺が谷田に勝ったら、あんたは俺のものになるっていうのかよっ!!!」
「勝てば奪う権利あるだろうがっ!!」
「そんなんで良いのかよっ!!」
「良いから言ってんだろッ!!!!!」
気が付けば、ムキになっての大喧嘩。
終いにはバカだのアホだのの言い合いにまで発展してしまった。
「ああっっ!!分かったよっ!!そんなに言うんだったら谷田からお前を奪ってやるよっ!!ほえ面かくなよっ!!」
「けっ!!出来るモンならやってみろってんだよっ!!!」
「てめぇっ!!煽っておいて最後はそれかよっっ!!」
「………あれ?」
……その顔があんまりにも子供っぽくて可愛くて。
思わず俺は吹き出してしまった。
「わ、笑うなっ」
そう言いながら、コウイチさんも笑っていた。
それから、俺とコウイチさんは、少しだけ話をした。
「悪かったね。遅くなって」
「いえ。こちらこそ」
電気室を出る頃には、いつもの会話も戻っていた。
「………お疲れ」
電気室のドアの直ぐ側で、むっつりとした声がした。
「……や、谷田君……」
じろりと俺を睨む谷田君の顔が、マジ怖かった。
「………あれだけコウイチとやりあえるのは岡野さんが初めてッス」
「……はは……どうも……」
「ユウ、お前、先帰れって言っただろう?」
「バカ。お前、今日何の日だと思ってんだよ」
「………へ?」
普段着に着替えていた谷田君が、カバンからチケットを取り出した。
「………あっ!!!いけねーっっ!!!!今日ライブだったんだっっ!!!!」
「あほう。……ほれ、早く着替えてこい」
「…あっ!!俺、着替えもカバンも車ン中だ」
その時駐車場からクラクションが鳴った。
「親方、痺れきらしてるゾ」
顎で指して笑って言った。
「スピード違反で捕まったら、お前罰金払えよ」
「おうっ!!じゃ、岡野君っ」
「は、はいっ」
「また明日ッ!!」
「………はいっっ!!!」
急いで着替えるからーっ!!と、言い残して、全速力で駐車場に走り去って行った。
「終わったかしら?」
背後から突然声を掛けられて、ビックリして振り返ったらお姉さんが笑って立っていた。
「帰ろうとしたらさ、カバン置いてるの忘れちゃってね」
と、言いながら電気室に入り、カバンを肩にかけて出てきた。
「じゃ、また来週ね」
ふふっ、と、笑うと、
「ばいばーい」
と、器用そうな手をひらひらさせながら、自分の車の方へと、歩いて行った。
「谷田くーん、岡野くーん、頑張ってねぇvv」
意味深な台詞を残して。さ…3人して帰らずここにいたってことで……。
気が付けば、ぽつんと取り残された俺と、谷田君。
「……あの、谷田君……」
むっつりしたまま、谷田君が俺を睨んだ。
「……俺、手加減しませんよ」
ああ゛っっ……やっぱり聞かれてるし……
「……お手柔らかに…」
しどろもどろの俺を見て、谷田さんが(まったく…)って顔して少し笑った。
「いつ気が付きました?」
「幹線でトラブッた時に、コウイチさんが谷田君に声を掛けた時に」
「……案外するどいっスね」
「そうでもないよ」
真っ暗な駐車場でコウイチさんが何やら親方さんと言い合ってるのを何とはなしに、二人で眺めた。
「…………俺、負けませんよ」
「…………俺だって」
何だろう……ものすごくやる気が湧いてきた。
もしも前の職場でこれだけやる気があったら、自力で契約取れたかも…しれないな。
なんて、思いながら。
口ではああ言ってはみたものの、やっぱり谷田君にはかなわないかもしれない。
でも、コウイチさんが好きのは本物だから。
もしかしたら、もしかすることもあるかもしれないし。
そして、いつか、本当に課長のことを忘れる日が来るんだろうな。
まだまだ俺は電気工事士の見習いで、現場のことも見たり聞いたり体験してる部分って、ほんの僅かなものだと思う。
でも、頑張って仕事を今日も続けている。いつか、一人前の職人になって、コウイチさんを惚れさせようと、俺なりに巨大な野望を持ちながら。
現場って、見るより聞くより絶対に体験してみた方が良い。
誰にでも絶対新しい発見があるはずだから。
数日後、作業中にコウイチさんとの喧嘩を思い出し、途中ものすごいタメ口をきいていたのに気が付いて、滅茶苦茶凹んでいたのはこの俺です。
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