表紙はこれvv

 「大航海時代」
《お立ち読み編》

 

 「……どーすんですか……こんなに酔わせて……」
 明日の仕事に差し支えが出たらどーすんですか…と、言おうにも、舌が上手く回らない。
 中途半端に終わった語尾に、中で一番まともな状態の谷田君がニヤッっと笑う。
 「岡野さん、ちょっとそれってヤバいですよ」
 「……なんで…?」
 「色っぽすぎます」
 ぶっ。
 「なんてこと言うんだよ…」
 「ほらほらその目。止めて下さいよ。コウイチに飛び火しちゃいますから」
 「んー……?」
 名前を呼ばれて、意識を飛ばし掛けていたコウイチさんが谷田君の方を向いた。
 「…俺が……なに…?」
 「や、別に。ほら、もう寝てろ」
 「んー……」
 盛り上がる余りにワイン一本一気飲みしていたコウイチさんは、半分潰れかけている。
 コウイチさんは、ずるずる這うように谷田君の側に行くと、ふわん…と、そのまま抱き着いた。
 「あー……なんか……俺……ヤリてー……」
 甘えるように頭を谷田君のお腹に擦り付けている。
 「…アホ……岡野さんがいるんだぞ……」
 そう言いながらも、ぐんにゃりしているコウイチさんを軽々と引き寄せ抱き込んだ。
 「…別に……いーよ……見られても……」
 とんでもないことを言っている。
 「……ほら…どうしてくれるんスか?」
 そういう谷田君は、なんだか全然困っていないように見える。
 「ど…どうしくれる……って……」
 「コウイチ、落ち着かせてやっても良いですか?」
 えっ?…そ、それって……まさか……
 「…今……ここで…?」
 「はい」
 ゆらゆらと腰を揺らし始めるコウイチさんの手を掴みながら谷田君は、真直ぐ俺を睨んで言葉を続けた。
 「コウイチ、早く眠らせてやりたいんですよ」
 俺は思わず生唾を飲み込んでしまった。
 つまりは、俺の目の前で本番がしたいって…訳だよね?
 想像したら…ぶわっ、と、身体が一気に熱くなった。
 同時に嫉妬の痛みが胸に突き刺さる。
 「……俺の前で?」
 「……ええ」
 何だか挑むような谷田君の口調。
 「…い……良いですよ…」
 何となく…勢いで……言ってしまった。

 

 「ん……んん……あっ……う…んっ……ユウ……」
 トランクスを脱がされ、Tシャツ一枚のコウイチさんが 谷田君の腕の中で喘ぐ……。
 谷田君は、顔色一つ変えずに、コウイチさんの勃起したペニスを掴んで扱く。
 ゆっくりゆっくり…刺激を最小限にしながら、コウイチさんに快感を与え続けている。
 コウイチさんのペニスは…名刀って言ったら大袈裟だけど、とても綺麗な形をしていた。亀頭の大きさから、傘の開き方から、竿の太さ長さ張り…どれをとっても行き過ぎた形もなくて綺麗なのに、とても卑猥で。
 色も使い込んでいる色艶なんだけど、不思議と下品じゃなくて…コウイチさんのだと思うと…なんだかとても美味しそうで……。
 夢にまで見たコウイチさんのペニス…。
 見ているだけで股間が熱くなっちゃうような……。
 「……ああやって、バカみたいに酒のペースを上げている時のコウイチは、寂しがってる時なんスよ…」
 「…………寂しがっている……?」
 俺は、目のやり場に困るかと思っていたんだけど、いざ始まってしまうと、コウイチさんの表情に釘付けで、目が離せなくなってしまった。
 「…はぁ……っっ……んっ…良い……っ……あっ…」
 うっとりと、身体をくねらせながら快感に完全に身をまかせている姿は……想像していたものよりももっと…全然…厭らしくて……。
 どうしよう……  自分までしたくなってくる…。
 「我慢出来なくなったらオナッても良いッスから」
 そんなこと言われても……。
 でも、トランクス一枚だから…勃起しちゃってるのはバレバレで……。
 始めちゃうかどうしようか悩んでいると、谷田君が話し始めた。

                   うーんっっ・・・ここまでっvv    もどる