【窓越しの掃除屋】

5

 

 さかなのおり。
 いまでもときどきゆめにみるんだ。





 ナミさんは料理をしていても華やかだ。

 現場の飯場…なんて言ったら、野郎共の巣窟で、どんなに綺麗にしていても、どことなく薄汚れて見える。
 ところが、純白の割烹着に身を包み、頭に巻いた三角巾からチョロっと見隠れしている鮮やかなオレンジ色の髪も華やかなナミさんがいるってだけで、えっ?電気屋さんに言って、蛍光灯取り替えて貰ったの?ってぐらいに飯場の中が明るく見える。
 ちょーっとだけ贔屓目に見てあげれば、ココ、晴海の現場は、飯場と言うよりも小洒落た地中海式レストランの厨房って感じ。
 勿論、プレハブ式の建物とか、貼りっぱなしのコンパネとか、全く色気の無いフツーのサッシの引き戸とかは絶対に見てはイケナイ。
 あくまでも、キビキビと忙しそうに厨房の中を行き来しているナミさんだけを見る。
 あ、一番奥のカウンターの後ろにある窓の外は、どこにも視点を合わせずに一瞬だけ見るんだったら構わない。
 真っ青な海…のように見えなくも無いブルーシートで一面が覆われていて、無理すればアソコだけ地中海気分が味わえる…ような気がする。……うーん……。
 きっちりしたナミさんの性格がそのまま現れているような厨房は、狭いながらもプロの料理人も舌を捲くぐらい機能的かつ整然と調理器具が並べられている。
 棚、冷蔵庫、水、シンク、火。
 これだけ作業動線がしっかり確保出来ている厨房って言うのは珍しい。
 だからナミさんは一瞬たりとも無駄な動きをしない。
 一つ目の鍋の火加減を見た後、そのまま次の鍋の味見をし、すぐ側にセットしてある特大のレードルで底の方から丁寧にかき混ぜる。
 すぐ背後にセットされているコンロも特別製。アレ、直接プロパンから燃料を引っ張ってるから、火力が半端じゃ無いんだよね。アレで炒める野菜は、きっと歯触りも申し分ないパリッとした焼き上がりになる。隣には昼休みを直前に控え、既に山盛りの野菜のざく切りがスタンバイ。
 野郎共でカウンターが埋まると、ほっそりした指としなやかな細腕からじゃ想像も出来ないような豪快な鍋捌きが堪能出来る。
 磨き抜かれた器具と同様に、丁寧に拭かれたカウンターの清潔感も申し分ない。
 ステンレス製の大形冷蔵庫の隣の隙間に挟まるように座り込んで、眺めているのも絶景。
 懐かしい…なんて、タブーにしている感情が沸き上がりそうになって、慌てて気持ちを奥に押し込む。
 真剣な表情のナミさんの横顔に集中する。
 うん。素敵だね。
 「ちょっとサンジ君っ、のんびりそんなところに座ってないで、手が開いてるんだったらそっちのジャーに炊きあがったゴハン移してっっ!」
 うーん…怒った顔のナミさんも素敵だ。
 「ちょっとサンジ君っっ」
 「あ?」
 「あ?…じゃなくてっ。少し手伝ってって言ってるの」
 「あ、うん。良いよ」
 居心地の良い、狭い隙間から身体を出してケツをパンパンッ、と叩く。
 「じゃ、手洗わしてね」
 腕捲りをして手を洗う。
 三十秒数えた次は手首を洗いながら二十秒。
 そのまま肘まで洗って、水滴が周りの料理なんかに飛び散らないように水を垂直に落とす。
 タオルは使わない。
 なぜかこっちを見ていたナミさんに、条件反射的にニッコリと笑い掛けて巨大な炊飯器の蓋を開けた。
 温かな良い匂いに心が疼いた。





 首都高速の有明ランプから新木場方面に車を走らせると直ぐ正面に四本の一際高いマンションが建っている。
 そのうちの建設中の二棟が、空島建設が施行している、『晴海オーシャンシティ』だ。
 スーパーからフィットネスクラブまで、あらゆるジャンルの施設を配置して、快適な環境を人工的に造り出している。
 一人暮らし対応の1LDKから、大人数でも暮らせるような5LDKまでバリエーションはかなり豊富に設計されている。
 回廊タイプにして、各世帯のプライベートも守れる造りになってる。
 結構人気物件で、最多販売価格が四千二百万だっていうのに、七期販売分までは即日完売って話だ。
 俺も、この物件は買いだと思う。
 間取り自体は大して目新しくもないけど、水周りの設備は充実している。
 特にキッチンは素材の選定が良い。
 見た目だけに金を掛けたシステムキッチンじゃ無い。
 日本のメーカーだけど、ここのシステムキッチンは『使い易さ』を第一に考えてるところで、流しとシンクとコンロのバランスがどこよりも良い。
 フラットタイプのコンロも、取り外しが簡単に出来て掃除がしやすいし、シンクは流石に最高級とは言えないが、それなりに厚みのある本物の大理石を使っている。コレぐらいの広さがあれば、パン作りもパスタ打ちもやりやすそうだ。
 シンク下の収納は、コンロの側に大形の調理器具も楽々入るようにきちんと設計してあるし、流しの下には食器類が大量に入るようにしてある。
 床下収納も充実しているから食品の買い置きも出来る。
 ビルトインのオーブン…これも耐久性のあるメーカーのヤツだからメンテナンスをそんなにしなくても大丈夫。
 食器洗い機と生ゴミを処理してくれるディスポーサーは個人的にはいらないと思うが、そもそもキッチンにメインで立つのは女性だからな。大変な仕事は少しでも少ない方が良い。
 換気扇やコンセントの位置も、申し分ない。
 俺は仕上がった部屋を掃除する仕事柄、最終的な部屋の状態が見ることが出来る。
 今まで随分現場を廻ってきたけれど、ここのキッチンは多分一番だ。それだけでも十分価値がある。
 …メシって、着るものより住むところより大事で欠かせないものだから、火と水が使えるところだったらどこでも作ることが出来る。
 でも、だからこそ。
 一番に考えなきゃならない場所なんだ。
 ここの設計者はそこの所をすげぇ良く理解していると思う。そうでなきゃ、こんなに見えない所に金は掛けない。
 だってさ、ここの部屋だけ特種素材の壁と壁紙使ってるんだぜ?
 匂いと熱を閉じ込めるために。
 …閉じ込めるために。
 ……そう。閉じ込めるために。

 ……ほら…キッチンってさ、色々他人に見せたく無いものってあるから……さ…。

 うん。ここの物件は買いだと思うぜ。

 …ま、今、俺は自分でも結構気に入っている現場で仕事をしているってこと。


 能力者がやたら多いのが気になるけれど、飯場のナミさんと左官屋のロビンちゃんと、お昼になるとやって来るビビちゃんの三人がいるからそれも帳消し。
 毎日、それなりに楽しくやっている。

 ムサ苦しい男達に訳分からねェことさえされなかったら言うことは何も無い。

 ホント、あー言ったバカ連中は困る。
 大抵はケリでも入れれば大人しくなるんだが、時折群れになって襲って来るバカがいるから手に負えない。
 …あの時は不覚だった。
 新規入場でいきなりからかわれた。
 『ヒュー…美人じゃねェか』
 『掃除屋さーん、暗くなったら早く帰らないと危ないぜー』
 『コワイことされちゃうんじゃなーい』
 いかにも溜まってるゼッ…って感じの、同じ年頃の職人達がジロジロとあからさまに眺めている。
 完全無視して素通りしてやったら、
 『掃除屋さ〜ん、俺のチンポも掃除してくれよ〜。チンカス溜まっちゃって大変なんで〜す』
 『俺も〜ザーメン溜まって大変で〜す』
 ニヤニヤと笑いながら声を掛けてきやがった。
 ったく…バリエーションの欠片もねぇ。
 知能まるでナシって感じが余計に神経を逆撫でる。
 それでも俺は無視を決め込んだ。
 こういうヤツ等っていうのは、ムキになったら負けだ。人の反応を楽しんでるだけってヤツも多いしな。
 怒っても、恥ずかしがっても相手を喜ばせる。
 だったら、無視が一番だ。
 俺だって、伊達に現場の経験を重ねている訳じゃ無い。
 三年も現場仕事を続けてりゃ、喧嘩するのもアホらしいのに、気付くってモンだ。
 『……おいっ掃除屋っ』
 『………』
 『………んーだよアイツ…』
 それで腹立てられて喧嘩になるなら別にそれでも構わない。
 悪いが喧嘩には自信があるんでね。
 俺の態度に必要以上に反応したヤツ等が立ち上がって近付いてくる。
 『…無視してんじゃねーよ』
 前に回り込まれて行く手を遮られる。
 『…………』
 一向に退かねェ相手に溜め息混じりに顔を上げると、頭おかしいんじゃねェか?…って感じで睨み付けている男と目が合う。……うわっ…ブサイク倍増。
 『掃除屋さんよぉ…ちょっと付合ってくんねェ?』
 涎でも垂らしそうな口で、ドスを聞かせているつもりの声で言ってきた。
 『………』
 黙って見返していると、男の顔が接近してきた。
 『新入教育してやるからよぉ…』
 ケッ…何のだよ。
 男が肩に手を掛けた時、突然腹が立って、条件反射的に腹にケリを入れた。
 『うぐっ…!!……ぐ…っ……う……』
 身体を折り曲げて蹲っている男に、一言だけ声を掛けてやった。
 『…触んな』
 見境の無いようなヤツに触られんの、俺、大っキライ。
 ちょっかい出されんのは最高に、嫌い。
 ……ったくよ……。
 見た目で人を判断しやがって…。
 俺だって好きでこんなになった訳じゃねーッて言うの。
 だから、便所代わりに…って声を掛けて来る男には、俺絶対に容赦しない。

 ……その後…左官屋に捕まったのは……不覚だった。






 「……ふーっっ」
 午後二時。
 ようやく作業開始。
 なんでも、フローリング屋が作業が遅れたって話だ。
 ま、珍しい話じゃ無い。
 入れ代わり立ち代わりで入って来る様々な職種の職人達は、各業者の進行状態を睨みながら進めるモンだ。
 間仕切り大工が遅れたらボード屋が遅れる。
 ボード屋が遅れたらクロス屋が遅れる。
 クロス屋が遅れたらフローリング屋が遅れる。
 少しずつの遅れが、やがて全体の大きな遅れに繋がっていく。
 俺みたいな最後の行程でもある室内の清掃なんて、予定があって無いのが現実だ。
 それでもここはかなり良い方で、いい加減な現場ともなると、最後まで終わってねェっていうのにも関わらず掃除に入らせる。アレはどうかと思うよな。
 部屋全体の大きなゴミを取った後に、お好み焼きの『ヘラ』みたいな金属の道具でこびつりいている汚れを掻き落とす。玄関なんかにこびり着いているモルタルのカスもここで全部撤去する。
 それから次はサッシの掃除。
 コシの強い小さな帚で砂ゴミを掃き出す。
 開いている方の手に持った洗浄剤を浸したウエスで取り切れない汚れを拭き取る。
 まだ傷一つ付いていないアルミ製のサッシが金属本来の輝きを見せる。
 そのまま今度は立ち上がり窓の掃除。
 腰道具に引っ掛けていた希釈した洗浄剤の入ったスプレーを吹き付けて、T字型の拭き取り用の道具で丁寧に拭き取る。
 実は、この作業が一番好きなんだよね。
 窓拭きってさ、なんか一番掃除屋っぽい感じしない?
 フローリングの掃除は二種類のスポンジを使い分ける。
 ドアノブとかドアなんて言うのは結構見落としがちな汚れポイント。
 これも全部細かくチェックしながら綺麗にしていく。
 「〜〜〜〜♪〜」
 段々調子が上がってくる。
 鼻歌混じりにクロスの泥汚れを拭き取り、コンセントカバーの汚れを拭き取る。
 どんどん部屋が綺麗になっていく。
 新しい住人を迎え入れる最後の行程。
 別に…仕事にプライド持ってやってるって訳じゃ無いけど、それでも腕が悪いとは思われたくない。
 組の最終チェックに絶対に引っ掛からないように慎重に丁寧に掃除を続けていく。
 順調に続く作業の途中、ベランダ側の外側で、鳶が足場ばらしをしているのを見掛けた。
 目の下に傷があるヤツが確か…ルフィって言ったけな。
 なんか…アイツ……サルみたいだよな……なんとなく。
 それから……。
 アイツのことを考えた瞬間、左官屋のヤツ等のことを思い出した。
 「………っ」
 気を抜くと身体の力が抜けそうになる。
 身体を強ばらせて、息を詰め、消えない感覚を意識の外に追いやる。
 


 ………………………………コワイ……コワイヨ………


 誰かに身体を触られるのは大嫌いだ。
 思い出してしまうし、忘れてしまうから。


 (…やめろ……自分を追い詰めてどうすんだよ…)

 そう言い聞かせながら、平常心を手繰り寄せる。
 (大丈夫だ……大丈夫……大丈夫だ……)
 いつもしているように、自分に自分で言い聞かせる。
 なのに………

 「………っ…」
 ……アイツが…………ゾロ…が……窓の外を横切っていく。
 咄嗟に床に視線を落とした。
 無理やり仕事に没頭する。
 決して顔を外に向けずに。
 
 (……大丈夫だ……大丈夫………大丈夫だから………)





 ………………………デモ……コワイヨ…………




 俺は、逃げるように部屋から逃げ出した。








 「…ねぇ……ゾロ」
 「……ん?」
 ゾロは昼休みよりも随分と早い時間にナミのいる飯場に食事を取りに来ていた。
 「別にサボってるンじゃねェよ。腹が減ったから食いに着ただけだ」
 「普通、そういうのをサボりッて言うんじゃ無いの?」
 「いや、言わねェ」
 まったく…と、言った感じでナミは小さく溜め息をつくと、厨房の中からカウンターを挟んでゾロの前に椅子を置いて座り込んだ。
 「別にアタシは誰が何時ゴハンを食べに来ようが構わないわよ。アタシが聞きたいのはそんなんじゃなくって、サンジ君のことよ」
 サンジの名前を聞いて、ゾロは僅かに箸を止める。
 「…掃除屋がどうしたよ?」
 「アンタ達、仕事中とかに話したりとかする?」
 「いや…しねェな」
 どちらかと言えば、料理が上手だとナミから聞き付けてことあるごとに『サンジーっっ!!今度オレん家来てメシ作ってくれよーっっ』と、おねだりしているルフィの方が話をしているんじゃないかとゾロは思った。
 「作業している場所が近ェようで遠いからな。見掛けることはあっても、よほどのこともねぇから側にも行かねェな」
 「…そう」
 「なんだよ、掃除屋のことが気になるのか?」
 ナミは、バットの中に大量に積み上げた麺用のかき揚げをトングで突きながら二-三度小さく頷いた。
 「ね、ゾロ…アンタ『バラティエ』って知ってる?」
 知らねェ…と言いかけて気付く。
 「……ああ…あの、やたらと旨い料理屋だっけ?」
 「そ。『世界で一番美味しいレストラン』」
 「で?」
 「ん?…料理人であれば誰でも一度は働きたいって思っているバラティエ。言わば料理人の聖地よね。……アタシさ…もしかしてサンジ君ってそこの福料理長さんじゃないかな…って思うのよね…」
 「はぁ?何で?」
 「ん?……何となく……」
 ゾロは吹き出すように笑うと、付け合わせの福神漬を口に放り投げながらナミに言った。
 「ンな訳ねーだろ。第一、なんでそんなすげーレストランの副料理長がこんなところで掃除屋やってんだよ」
 呆れたようなゾロの口調に、いつもだったら顔を真っ赤にして怒るナミも、複雑そうな表情で苦笑う。
 「…そーなのよねぇ………だからアンタ何か聞いてないかしらって思ったのよね」
 弄んでいたトングで、福神漬の入ったタッパーから器用に少量の福神漬を挟むと、ナミがゾロのカレー皿にぽとりと落とす。「アンタと仲良いと思ったからさぁ…」
 「なんで俺がアイツと仲良いって思うよ?」
 ゾロが聞くと、ナミが以外そうな表情を浮かべた。
 「え?だってあの一件以来、ゾロ、アンタってサンジ君のこと随分意識してるからさー」
 「…っ…コラ、いつ俺がアイツを意識してたよ」
 「あら、いつもじゃない」ナミが言った。「アタシがサンジ君のこと、話す度に態度が変わってるモン」
 ゾロはナミに気が付かれないように心の中で舌打ちをする。
 (ったく…これだからカンの良い女っていうのは……)
 そんなゾロの気持ちを知ってか知らずか、ナミは半ば独り言のように言葉を続けた。
 「…昔さぁ…バラティエで殺人事件があったんだって。当時ニュースで大騒ぎしたんだけど、覚えてない?」
 ゾロがゆっくりと首を横に振る。
 「そんな事件もあったような気がするが、詳しいことはよく知らねェ」
 ナミはゾロと二人っきりだと言うのに声を潜めると、当時の事件のことを話し出した。
 「………あのね……」





 サンジは走る。
 そこから逃げ出すために。




 今日、掃除の終わった部屋に飛び込む。
 施錠されるはずの仕上がりの部屋。
 (はあっ…はあっ…はぁっ……はあっ………)
 気が付けばキッチンの中に立っていた。
 七十センチの幅で作られた部屋の窪みに…サンジは逃げる。
 膝を抱えて蹲り、小さく……小さく……。
 隠れるように、狭い隙間に身体を埋める。
 奇しくもそこは、冷蔵庫の設置予定地。

 

 

 仕事が終わって駅に向かおうとした時に、偶然ゾロの姿を見掛けた。
 何メートルも先を歩いているゾロの歩き方は、自然体で仕事に疲れた感じもない。
 「…………」
 ポケットからタバコを取り出し火をつける。
 意識して歩みを遅くする。
 ここから駅までは十五分の道程。
 ゆっくりゆっくり俺は自分の歩みを遅くし、遠ざかっていくゾロの後ろ姿を眺めていた。
 ぼんやりと、抱き締められて体温が流れ込んで来た時のアノ感覚を思い返す。
 「……………」
 『……死ぬな…っ』
 なぜか必死だったゾロの焦った声。
 あの一言で、アイツが持っている過去の重さを漠然と感じた。
 「……………ははっ…」
 俺は今にも止まりそうな歩みを止めて、立ち止まった。
 変わらない歩幅と歩調で、ゾロは曲り角を曲がって行った。





 ……関わらない方が良い……


 自分が自分に戻りそうで、怖い。
 俺はそのままタバコを根元ギリギリまで吸うと、走って来る空車のタクシーに向かって手を上げた。
 「取り合えず環七の方に向かって下さい」

 タクシーは俺を乗せると、ゆっくりと夕暮れの迫る道を走り始めた。




 続く。

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